プライベートでは、寺へ行くのも好きだという。特に京都の三十三間堂がお気に入り。
「三十三間堂は、いろんな仏像がいて、あのたくさんの仏像のどこかに自分に似た顔、会いたい人の顔がいる、と言われていますよね。それもあるし、ものまねをやっていると、多分、その仏像をつくった人も誰かの顔を真似ているんだろうなとワクワクしてくるんです。三十三間堂にはお香もあって、そのお香の香りも大好きなんですよね」
お香は好きだという。楽屋でもたいている。
「基本、白檀が好きです。気持ちが落ち着くんです。メーカーによっていろんな白檀がありますね。楽屋にいるときは、火の始末が大変なので、ライターで火をつけますが、部屋にいるときは、落ち着きたいからマッチで火をつけます。お香に火がついて、これで大丈夫、となるまでの少しの時間があるでしょう。マッチ棒は炎で短くなっていく。そういうちょっとしたことが、僕のなかではいい空間になる。だからね、ふっと口で吹いて消したりはしないです。普通に生きていても、ふっと人に息を吹きかけたりしないでしょ。そんなことされたら嫌じゃない?」
日常のちょっとした所作の一つ一つにまで、その人の心が宿るものだ。コロッケさんの繊細な優しさがわかる。
「お香は、その良い香りの煙で空間を浄化してくれますよね。最近はいろんな洒落た香りもあるけれど、僕の中では白檀が一番なんです」。
ひとつひとつの舞台。一瞬一瞬のお客様との対峙。舞台を離れても、日常を丁寧に深く見つめてきたコロッケさん。
「いろんな意味で、ミーハーなんですよ。芸能界だけではなくて、社会情勢とかもとても気になる。たとえば、街並みにしても、信号機がLEDに変わったときに、周囲の誰より早く気づきましたから。横から見たら暗くない?って」
しかしながら、芸で生きてきた45年という歳月は、きっと大変なこともあったに違いない。
「振り返ると、あのときは大変だったな、というのはありますよ。でもその瞬間瞬間を僕は楽しめていたという感覚が大きいです。僕のなかでは、コロッケという芸人が仕事をしている限りは、僕自身に飽きていない。この仕事を辞めるときは、自分に飽きたときじゃないかなと思います。……飽きない、かな(笑)」
その卓越した観察眼と想像力がある限り、コロッケさんはコロッケさんで居続けるのではないだろうか。
「芸人とひと言で言ってもいろんな人がいます。でもあわよくば司会者になりたいとか、あわよくば俳優だけにとか、僕はそういうふうには思ったことはありません。“一生芸人“、“一生感謝“。それが僕のコンセプト。これからも一つの笑いに感謝する芸人でありたいです」
軽やかでいて、揺るぎない芯があって。コロッケさんの芸はまだまだここから唯一無二になっていきそうだ。

【公演情報】
『松平健×コロッケ45周年特別公演』

第一部「暴れん坊将軍THE STAGE2 狙われた将軍」©東映
第二部「マツケン・コロッケのゴールデンパラダイスショー」
会場:明治座(〒103-0007東京都中央区日本橋浜町2-31-1)
公演期間:2026年1月10日(土)~25日(日)
出演:
松平健 コロッケ
辰巳ゆうと / 伊藤純奈 荒木健太郎 岡田翔大郎
真砂京之介 瀬野和紀 大原万由子 / 白石まるみ 笠原章
チケット好評販売中!
明治座オンラインチケット
https://ticket.meijiza.co.jp/matsukoro2026/
※ご利用には明治座FAN倶楽部にご登録が必要です。
明治座チケットセンター
03-3666-6666(10:00~17:00)
『コロッケ芸能生活45周年記念 歌・舞・笑SPECIAL』

会場:新歌舞伎座(〒543-0001 大阪府大阪市天王寺区上本町6-5-13)
公演期間:2026年6月6日(土)~21日(日)
出演:
コロッケ、ノブ&フッキー、トニーヒロタ、ビューティーこくぶ、坂本冬休み、藤川なお美、英明、ハッピーつつい
司会:藤沢一賀
一般発売:2026年4月3日(金)10:00~
新歌舞伎座ネットチケット
https://shinkabukiza.pia.jp/
※ご利用には会員登録(無料)が必要です。
新歌舞伎座テレホン予約センター
06-7730-2222(10:00~16:00)
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com