ケアマネジャーとして激務のなか、たまにはリフレッシュをと、先日北原さんは久しぶりの海外旅行に出かけました。
「一人旅でも安全なところをと探したら、ブルネイ王国が見つかったんですね。フライトは日本から6時間くらいです。行ってみたら、確かに平和で治安はいいけれど、観光するところはあまりなくて」
とりあえず、街のスーパーへ。そこで彼女はすごい光景を目にしました。
「スーパーマーケットに、ものすごく大きなパフューム・コーナーがあったんです。本当、街のスーパーですよ。店の半分がパフューム・コーナーで、たくさんの香水瓶がずらりと。もう興奮しちゃって毎日通いました。気に入った香りがひとつあって、ブルネイドルで20ドル(1ドル=約110円)くらいなんだけど、悩んで悩んで。で、買いました!」
北原さんはフローラルを基調とした香りがお好きだそう。香水を買い、水上集落を見に水上タクシーにも乗りました。
「ニコちゃんマークみたいな顔をしたおじさんがいて、この人なら大丈夫だろうと(笑)。いくらだと聞いたら50ドル、と言われたんですが、値切って値切って、10ドルにしました!」
リフレッシュして帰ってくると、また仕事の日々です。
「介護士としてのスケジュールを優先していると、なかなか俳優のお仕事に合わせられないことも多いです。辞めたわけではないのですが。でも、今はすごく充実しているし、日々、生きていることをとても実感しています。必要とされているということを感じられる現場=生きていることを実感できるということなんですね」
人と人との深いコミュニケーションという点で、俳優として演じることと、介護の仕事は似ていると北原さんは言います。AIが進み、人間関係が希薄になりつつある世の中だからこそ、北原さんのような深いコミュニケーションは大事になっていくことでしょう。
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取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com